2005年3月


 3月大歌舞伎 十八代目中村勘三郎襲名披露 昼の部
   (2005年3月25日)

   またしても、運転免許試験との綱渡りでヒヤヒヤしましたが、無事に行けました(*^。^*)

   
猿若江戸の初櫓
   びっくりしたのは勘太郎の成長です。偉そうです(^^ゞ
   芝居が好きなのも、若手の中でダントツに上手いのは知っていたけれど、
   まあ、小賢しいというか、上手さが鼻につく子でした。
   何か浮ついていて。そのくせ、まじめで硬すぎる。
   ところがこのたびは、素直にすごいわと思いました。
   真面目でひたむきなのに、にじみ出る愛嬌。やわらかい色気。
   間違いなく中村の「血」ですね。
   こりゃ楽しみだ。
   あっぱれ!(ここは大沢親分のビジュアルでよろしく)

   本当は、弟と踊るはずでした。
   七之助も出たかったろうに。目の前で、兄がこれだけやっているんだから。
   しばらく謹慎させろとは思ったけれど、
   社会的精神的制裁は受けたような気がしました。

  
 平家女御島 俊寛 こういう定番は、役者で見るしかないですね。
   いつも思うのだけど、この芝居の俊寛は立派過ぎる。
   今回は幸四郎さんだから、なおさら。関羽髯の大将軍の風貌です。
   そういう強い強い強い立派な人だから、「思い切っても凡夫心」が生きて、
   最後の孤独が強いです。
   千鳥は魁春さんなので、とっても行儀がよくてお嬢さんぽい。
   おきゃんな場面が浮いていた分、俊寛に「代わりに船に乗れ」と言われてからがよかったです。
   あと、梅玉さんの丹左衛門好き!とにかく好き!(^▽^)!
  
   余談です。新勘三郎さんが千鳥で、瀬尾に貝殻を投げるシーンに、
   うっかり左団次さんの瀬尾に当ててしまったことがあるそうです。
   そうしたら、刀を振り上げたまま千鳥のほうに向かってきて怖かったとか(しません。本当は)

   口上はさておき。(だって、いろいろなニュースで先に見ていたから、特に感慨なし)
  
 一條大蔵譚。息子の次はおやじもすごい!!
   今月、これが一番よかったな、私は。
   作り阿呆の時にいはいかにもそれらしく、切れ者の時の鋭さも最高!
   落差がすごい!別人だよ全く。
   他の役者さんだと、阿呆に見えないのです。
   K右衛門だと単なるエロおやじ(失礼)、E之助さんは、頭脳の鋭さが透けて見えて×。
   いや、堪能しました。

   それにしても、国立劇場に行きたかったなあ…京都は諦めていたけど。



 3月大歌舞伎 十八代目中村勘三郎襲名披露 夜の部 
   (2005年3月19日)

   つい「カンちゃん。」と呼びたくなるくらい身近な雰囲気のお茶目な役者さんです。
   人気者なので、興行も3か月間、チケットもご祝儀料金(T_T)にもかかわらず完売とか。
   なのに、自動車教習所の総合テストを終えてから行ったため、着いたら18時でした(T_T)


   盛綱陣屋がちょうどクライマックスでした。小四郎が切腹したところだったのです。
   これは、偽首を真実に見せるため息子が腹を切るという、これまた切ない話なのですが、
   そこに至るまでに、いろいろなドラマがあるわけで。
   いきなりここから見ると、入り込めなくて切なかったです。
   カンちゃん大熱演なのに、それが空回りして見える。もともとそういう人なので、余計に。
   調子を張りすぎて、肚が薄いというか、軽いというか。
   吉右衛門さんならもっとにじみ出るものがあるんだろうなあ、と思いながら見ていました。
   ラスト30分でもいいから見たくて入ったくせにワガママです(苦笑)。

  
   保名。これは、ムードで見る踊りですね。春野を気狂いの美しい男が彷徨っている。
   同じ気狂いでも、先月の二人椀久よりも甘い雰囲気で、なんとなく救いがあります。
   堪能しました(^^)。
   それにしても仁左衛門さんが急に老けたこと。
   顎のあたりなんか、ラムセス2世のミイラみたいに削げてしまって(失礼)。


   鰯賣戀曳網は楽しいです!
   三島由紀夫脚本の新作歌舞伎で、気軽なメルヘンです。
   観客はもちろん、舞台の上もノリノリ(死語)で楽しそうでした。
   猿源氏と蛍火は、このカン玉コンビ以外考えられません。
   左団次さんの粋な美老人、市蔵さんの一途??でおマヌな家臣もナイス!
   あと、突き飛ばされて思いっきりこけたあとに髪を直していた禿がいい味出していたなあ(^^)
   幕見で1200円で見られるので、興味のある方はぜひ。
   19:46頃からですが、かなり早めに並んだ方がいいと思います。