2005年5月
5月大歌舞伎 十八代目中村勘三郎襲名披露 昼の部
結局夜の部は断念しました。幕見まですごい行列なんだもん(T_T)
これで、夏の間に菊五郎さんに何か起きちゃったら、私は親孝行を悔やむでしょうな(親不孝)
菅原伝授手習鑑 車引
副題は、オタク万歳(涙)
役者で楽しんだ一幕でした。
外見ばっかりの話になっちゃうと思います。すみません。(いつもか…)
梅王丸は勘太郎。以前は地味なのが難点だと思っていたのですが、
ぱあっと華が咲いたようで、キラキラ光って見えました。乙女美ジョン?
最近、もっきり勘太郎贔屓です。
桜丸は七之助。おにいちゃまにちょっと差をつけられちゃったかな。
あとから海老蔵が出ると、さらに影が薄くなり。
ただ、きつい感じの、美人というわけではないけど不思議に色っぽい若衆でしたなあ。
いつも、桜丸が一人だけ柔らかすぎる(しかも、大抵、一人だけとっても小柄)ので、
今回のように、カーッとなって一緒に牛車を壊す鼻っ柱の強さが目立つような桜丸、ちょっとかっこいいかも(*^。^*)
松王丸は海老蔵。出てくるなり妖気があるんですよー。
隈取が外に向かって流れる感じだからかなあと思って見ていました。
RPGっぽいというか、漫画チックな表現で申し訳ないのですが、
ラスボスに忠誠を誓った見返り?に妖術や改造された肉体を得た手下、みたいな。
身体の三分の一くらいが、もうなんか分からないもの(機械的だったり、有機的だったり)に置き換わっちゃっていて、
むやみに強い奴。
すっごいかっこいいんだけど……喋ると時々悪い癖で発声がふわふわするから、ちょっとがっかりする。
で、ラスボスもとい時平が左團次さんでした。
まじ 顔怖ッ (怯)
聖総統がマスクをはいで怖い素顔をさらした時くらい怖かったです。
背は高いし元がハンサムだし。不覚を取った部下なんか、指一本で肉塊にしちゃうよ絶対。
魔力強そう。
これを観劇の感想といっていいものか。
しかも、日を置いたら、もう忘れてしまった
芋掘長者
無邪気なメルヘンです。逆玉の話自体は、猿源氏の鰯こうえーい の方が面白い。
踊りは、華やかで派手で、ちょっと新しくて面白かったです!
亀ちゃんのお姫様がかわいかったです。袂で顔を隠すところなんか、本気でホレそうになった。
弥栄芝居賑
襲名の口上替わりに、両花道から男伊達、女伊達が名乗りを上げるのですが、
3階客は置いてけぼり。私の席からは菊五郎さんが見えたからいいか。
襲名興行は、普段芝居を見ていない人々が多く、「ゆくゆくはマナーを身に着けてね(諦)」と思うこともしばしば。
一番早い先行予約なので、周りも多くはご同類と思うんだけど…うちの両親みたいなこともあるだろうし。
見えないもんだから、名乗りが始まると役者の名をぼそぼそ言う人があちらこちらでいる。
でも、半分くらいは名前間違っている!!
せめて、黙ってれ!!!
髪結新三
新三は嫌な奴なんだけど、そぎ落とされ、ある意味完成された江戸の男です。
勘三郎さんが、一番かっこよく見える演目かも。
ちょい苦味があって、しっかり身が入って、色気があります。
戸のそばで聞き耳を立てているところが、まずかっこいい。
髪を整えているところは、まだちょっとこれ見よがしな感じ。
手代の忠七に憎ったらしいことを言って打ち据えて置き去りにするあたりは、
階段の上から背中を押してやりたくなるような小面憎さなんだけど、うっかり「でも少しかっこいい」と思ってしまう罠。
大家さんにやり込められている時のむっとした顔が、またかっこいい。
柱にもたれかかって、懐手で顎なんか撫でつつお熊を見送る目のいやらしさ。この時ちょっと口開けてるんですよね。
あんなことこんなこと、さんざん無体なことをしたのを思い出しているに違いないという、生っぽく好色な顔です。
エロいです。(何書いてるんだ私)
一枚上手の大家さんは三津五郎さん。
あんまりハンサムなジジイなので、プロマイドを買ってしまった。
やり手の食えないジジイと言うよりは、後輩イジメが楽しいたちの悪い先輩みたいです。
二人のレベルが近いからですね。
そりゃあ楽しそうに、新三をいじめているように見えました。(素?)
芝居としてはどうかとも思うけれど、今回に限りオッケー!
白子屋お熊は菊之助で、ぐずぐずしている若い娘で、そういう娘にありがちな、無自覚のエゴがよく出ていました。
《例》「どうするの?」「えー」「こうするの?」「えー」「はっきりして!」ぐすぐす泣き出す。
あと、染五郎の勝奴が、これまた人を食ったような、生意気でいやあな若造でいい感じでした。
京劇水滸伝 野猪林
近日公開予定(^^ゞ