加藤さん」決心しました。辞めさせていただくことにしました。

このままではどこにも行けませんから。たいへんお世話になりました。



 俺たちは、さらに長いこと話し合った。これだけの人間が生きていて、その中で、こうやって関わり合いがあったわけじやない、一緒にやろうよ。結果を出そうよ。加藤さんはそう言って泣いた。俺も泣いた。考え直してよ、まだ始めたばっかりじゃないか、長沢。俺の心が少し揺らいだ。確かに始めたばかりだ。しかし、もう進めません、もう頑張れません。こんな形で別れたくないよ。どうしてそんな、優しいことを言うのだろう。もう加藤さんには、二度と会えないだろう。


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